_goについて
_go(アンドゴー)は、発売から20年近くになる「ほぼ日ハラマキ」の製造も担当する
プロフェッショナルチームによって開発しました。
難しい状況の続く国内繊維産業...
その中でも新しい挑戦、新しいコンセプトの商品開発に取り組むチームです。
このページでは「_go」が誕生するまでの歩み、そして開発者の想いを綴りました。
最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
_goのコンセプトムービー(60秒)
1.栃尾繊維技術者の”最終世代”が作った「_go」
_goは、2020年に新潟県長岡市栃尾地域(旧栃尾市)で誕生しました。
この地域は古くからの繊維産地です。
戦前は養蚕からの絹織物、戦後は化合繊による先染織物産地として、
独自の技術で多種多様な繊維製品を作り続けてきました。
栃尾地域は、山奥の盆地にあり、
独特な技術と職人のネットワークがいまも残るとても古い街です。
さまざまな時代の流れによって、2023年現在、
この栃尾産地は最後の時期を迎えています。
おそらく次の世代には残らないだろうと・・
そんな栃尾繊維技術者の”最終世代”である私たちが作った「_go」
それは、"実に栃尾らしい”商品です。
2.環境にも優しいパッキングニットで持続可能な未来を
「_go」を開発しようと思った背景には
近年、ますます重要視される持続可能性と環境保護にあります。
私は、環境に優しい製品の開発に興味を持つようになりました。
特に、商品の包装においては、多くの資源と廃棄物が生じます。
この課題を解決するために、私は「パッキングニット」という
新しい商品を作ろうと思いました。
パッキングニットは、再利用可能な素材で作られた包装材です。
伸縮性のある繊維を使用しており、商品を確実に保護するだけでなく、
使い捨てのプチプチやエアキャップと比べて環境に優しい選択肢となります。
また、この商品を作ろうと思った理由は、
環境負荷を軽減することに加え、利便性と効率性の向上もあります。
パッキングニットは、軽量でコンパクトなため、
出荷時のスペースと送料を節約できます。
また、再利用可能な素材で作られているため、
廃棄物の削減にも貢献できるのです。
私たちは、環境と品質の両面で優れた製品を提供することで、
より良い社会への貢献を果たすことを目指しています。
3.伝統的な栃尾のストレッチ技術×最新技術の組み合わせ
さまざまな素材を複合化(compositing)し、
それらの構造化(structuring)する器用さにあります。
通常の繊維産地では、素材である「糸」の種類は大まかに決まっていますが、
栃尾産地では、ありとあらゆる素材を扱っています。
素材特性をよく知った上で、必要な部分を引き出し、
無用な部分を抑える製造技術が長い時間をかけて発展してきました。
_goは、それらの一つである伝統的な栃尾のストレッチ技術と、ニット編機の最新技術である
「WHOLEGATMENT(ホールガーメント)」を組み合わせて作っています。
ありとあらゆるものを最小限のスペースでパッキングするために、
素材は、栃尾の技術を詰め込んだ完全オリジナルの「極大ストレッチ素材(開発コード:GH03)」で、
それらの特性を殺さぬよう完全無縫製のニット技術を使って編み上げています。
この伝統と最新のハイブリッドこそが、栃尾に残された私たちの新しい挑戦です。
4.ユーザーと一緒に商品を作っていきたい
世界にはあまりにもたくさんのモノがあり、
それらを最適な形でパッキングするために数多くの試作品をつくる必要があります。
私たち開発者はそれをユーザーのみなさまと一緒に仕上げていきたいと考えています。
それは栃尾がこの状態になった最大の原因は
「ユーザーとの対話があまりにも少なかったから」だと感じているからです。
_goはそれ単品で完結するプロダクトではありません。
ユーザーが「これを包みたい!」と感じることで初めて成り立つサービスです。
試作品をできるだけ早くモニター販売し、
たくさんのユーザーフィードバックの中から次の開発を進めていく。
_goはこの開発姿勢によって常に新しいものを産み続けます。
5.最後に
デジタル機器など、たくさんのモノがこれからも身の回りに増えてくることでしょう。
それらの大きさや形状は多種多様で、なかなか一つの収納方法では対応できません。
私たち開発者は、ユーザーのみなさんといっしょに「次のモノとヒトのかたち」を模索していきます。
新しく買ったお気に入りのモノがスムーズに自分のライフスタイルに馴染むように。
自分なりの包み方を見つけたその瞬間、
パッキングニットという_goのコンセプトはそこにあらわれます。
_goはみなさんといっしょに進み続けるプロダクトでありプロジェクトです。
_goプロダクトエンジニア 白倉重樹